
タイトル:スターウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー
監督:ジョン・ファブロー
形態:映画
既か未か:未
『スターウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』みた。
天下のスターウォーズシリーズの最新作。銀河の賞金稼ぎ:マンダロリアンがちびっ子のグローグーを連れてゆく『子連れ狼』的作品。おそらく。
いわゆる「シークエル」でのドタバタに疲れ果てたスターウォーズオタクを癒したドラマ版『マンダロリアン』。全3シーズンの続きがこの映画となる。となるが、全3シーズンのドラマはどちらかというと「エピソードゼロ」的にマンドー達の下地を整えた感じなので全然この映画を初見にしても大丈夫であったりする。
ただ俺はちゃんとドラマ見ました。最初はグローグーフィーバーにうまくついていけてなかったが、流石に見てるうちに愛着が湧いてきて、映画を見てる時は甥っ子を見てるかのように可愛がることができた。紆余曲折あって好きになるものの方が一目惚れより純度が高いというのが俺的持論なので、堂々と私のグローグー愛は確固たるものだと宣言する。
何気に映画館でスターウォーズを見るのは初。シリーズ作品としては本編9作プラスローグ・ワン、クローン大戦とクローンウォーズの映画を見て後ドラマをちょろちょろ見たくらいのもん。そんな中で印象深いロッタ・ザ・ハット君が出てくるらしいのでお得。
ネタバレあり
悪の銀河帝国がやぶれ、散らばった残党が復活を企む中、新共和国は銀河統一を開始した。外縁部ではマンダロリアン(ペドロ・パスカル)とグローグーが帝国の逃亡者達を追っていた。
マンドーとグローグーが帝国残党をぶっ潰す!というただそれだけ。
ストーリーはあってないようなもんで、ドラマの延長線上以上でも以下でもない。ただ、それが悪いかというと全然そんなことはないです。そもそも『マンダロリアン』のコンセプト自体が、「スターウォーズ世界を暴れ回るかっこいいマンダロリアン!」と「かわいいその孤児グローグー!」くらいのテンション感だったりする。この映画もそれを全く超えることはない。
映画にするなら映画らしくしてもいいのでは?とも思わんでもないが、まあ楽しかったのでいい。
要はこの映画は「マンドーはめっちゃかっこよくてぇ、グローグーはめちゃきゃわなんですよぉぉ!」くらいの感覚でやってる。そして見る側のこっちもそんくらいの心構えなんで楽しかった。
例えば、最近の映画『マリオギャラクシー』も大体そんな感じなんだが、こっちはファブローが撮ってるだけあって「映画の体」は成してるので安心して応援することができた。『マリギャラ』の方はどうしても、宮本の「10分を9個くっつけてる」的なのが脳をちらつく。一方でファブローの本作は映画らしさは一応あり、例えば、冒頭のアクションシーン。これがあるとないのとでは180度違う。このアクションは後述するが、初めてこの映画を見る人への説明として有効に機能している。これがマリオの場合は、ロゼッタは割愛するとして、その後のマリルイ登場シーンがそのままヨッシーと接続されてしまっている。作劇としてはスマートだが、マンドー冒頭アクションのような「これまでのあらすじ」は絶対に必要だと思う。「あらすじ」は知らない人への説明はもちろん、すでに知っている観客を仲間として引き込む効果がある。「よっ!きました!」って感じの。あらすじトークは無限にできちゃうのでこの辺でやめるが。
で、今作の白眉はなんと言っても冒頭アクションシーン。まず、簡易版オープニングクロール(クロールしないけど)でめちゃくちゃ簡単に設定を説明した後、悪そうな人が悪そうな基地でみかじめ料をもらう。そこに攻めてくる物影。暗闇でやられていくトルーパーたち。そして満をじして煙の中からマンダロリアン登場!主人公が焦らされれば焦らされるほど「映画!」って感じがする。そしてちっこいドロイドが逃げようとするところで飛び入る存在が!奴はグローグーだ!!二人が合流!マンドーとグローグー、二人揃えばMUTEKI!
という『マンダロリアン』のノリを簡潔に説明しながら、マンドーとグローグーができること全部を観客に見せていく。他にも、「グローグーは爆弾を理解できるほどの知能はありますよ」とか「マンダロリアンは獲物をどこまでも追い続けますよ」と言った能力以外の性格的な面もさらっと見せていくスマートさ。
正直、冒頭が最高でそれ以降はそれなりって感じの映画だが、全くもって、冒頭見る為に映画館に行く選択肢があるレベル。MCU好きな人には『エイジ・オブ・ウルトロン』の冒頭と同じと言ったら伝わる気がする。
その後は若干グネるものの、ハット族とのイザコザがメインになる感じ。ハット族は宇宙ギャングでエピソード6で殺されたジャバが有名どころ。双子のハットはよく知らん。おそらくジャバの兄弟の双子?にジャバの息子のロッタ君を連れ戻す依頼を受けるマンドー達。
ロッタ君は俺が見た映画『クローンウォーズ』ではグローグーレベルのガキだったが、立派に成長。ムキムキになっていた。それだけでなく、父親が嫌われ者な宇宙ギャングであることなどへのアイデンティティの問題を見事解決し、自分の力で生きようとしていたナイスガイ。
Xの受け売りだが、最近のスターウォーズは種族ごとに悪者か良い者を分けていた時期から脱却して、一つの種族にいろんな面がありいろんな奴がいるってのを描いてて偉いと思う。『ボバ・フェット』で描かれたタスケン・レイダーとかがそれ。
あとサプライズキャラ(と言っても予告でバラしてる)はエンボという賞金稼ぎとガラゼブという人が出る。二人とも全然知らん。こういうサプライズキャラを予告で出すのは賛否あると思うが、ことスターウォーズにおいては賛と言いたい。というのも、知らんのよね。ルーク!とかヴェイダー!とかなら見た瞬間わかるが、俺みたいな一般層にとってはエンボとか出されてもわからんのですよ。アソーカがギリギリのライン。今回の映画の目的は「スターウォーズの入り口」なので予告でいっぱい出して敷居を下げるのは、それはそれでありだと思う。
MCUの話になるが、例えば、『ドクター・ストレンジMoM』とかでも予告でハゲをチラ見せして、本編での完全サプライズはブラック・ボルトだったが、逆の方が良かったと思う。サプライズキャラはサプライズであって欲しいので、できる限りみんなの知ってるやつの方がいい。し、知らんやつを再登用する場合は、予告で出して周知させた方がいい。バランス感覚が難しと思うが、『マンドー』はちゃんとやりきって偉い。クローンウォーズ見たことあるとはいえ、急にロッタ!とか言われても気づかなかった気がする。
エンボはかっこよかった。ゼブもかっこよかった。そういや、ボバに出てきたキャド・ベインもめちゃかっこよかった(フィギュア買った)。ので、アニメからの輸入は大歓迎です。
中盤、というか終盤寄りだが、マンドーが負傷してグローグーが一人で頑張るシーンがある。グローグーは可愛いし、素直に「がんばれ〜」と応援するんだが、若干茶番感も感じた。今作はタイトルに「アンド・グローグー」が入ってるのでグローグーを頑張らせなあかん!って感じだったんだろうが、お膳立てされてる感じが普通だった。普通というのはもちろん「悪い」わけではなかった。可愛いもの。ただ、めっちゃよかった!とは言いづらいですね。グローグーはどうしても「キッズ」って感じの活躍になっちゃうので話から緊張感が削がれるところに問題があるのかも。シーズン3のフォースでみんなを守るとかはすごくよかったんですけどね。そういう意味ではロッタ君を持ち上げるとこも良かったですけど。
今作は、狙ってやってるからない物ねだりなんだが、緊張感のあるシーンとかはどうしてもなかった印象。マンドーとグローグーの別れネタ(俺の方が先に死ぬよなみたいなやつ)はもうシーズン2ラストでやってしまってるので本当の別れではない限り茶番になってしまうと思う。今作で何回かやってたが、別れネタは完結編までもう触れなくていいレベル。というか中途半端に触れてしまうと、観客側にも別れ耐性がついて、ディンが死ぬ時に「まあそりゃな」っていう感情になってしまう。だから安売りしない方がいい。
上記の通り、映画の重みはゼロなんだが、まあ意図的に無くしてることは理解できる。ただロッタ君の「親と子」の話は『マンドー』完結編まで残しておいても良かったかもね。面白かったからいいか。あとスコセッシが出てたね。MCUにも出てきて欲しいところだ笑。
そんな感じ。スターウォーズに関しては詳しくない身だが、グリーヴァス将軍とハックスが結構好きなのでドラマ作ってくれると嬉しいな。というか分離主義者達が好きだ。それならさっさと『クローン・ウォーズ』見ろという話だが。
いつかシークエルの感想は書きたいです。少数派寄りの意見を持ってると思うので。