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映画好きです。

【感想】『サンキュー、チャック』/人の子はみな小宇宙

タイトル:サンキュー、チャック

  監督:マイク・フラナガン

  形態:映画

既か未か:未

 

『サンキュー、チャック』みた。

 

キング原作の短編小説の映画化。スティーブン・キング原作は最近、ランニングマン見て感想書いたね。

割とほとんど概要も何も知らずに見に行った。というかキービジュアル、タイトルからの情報が異常に少ない。見たらわかるが、ちょっとでも説明しようものならネタバレになってしまうからだったのだね。映画よく見る人だったら、このブログの画像とかタイトルからでも全然推測できてしまうと思う。でも、別にネタバレがどうとかいう映画でもないかな。

ただ、この感想を読んだら面白く見れないこと必至。気になるなら早めに見たほうがいい。

 

ネタバレあり

 

世界が終わろうとしていた。次々に自然災害が起こり、インターネットは繋がらなくなる。そんな中で謎の人物・チャールズ・クランツ(チャック):トム・ヒドルストンに感謝するという内容の広告がテレビやラジオを埋め尽くす。

 

ネタバレのないあらすじで書けることなんてこんなもんだ。本作は3章→2章→1章という感じで時系列が逆転して進んでいく。3章で「結果」が描かれてその後、2章、1章を通じて原因であったり過程が描かれるタイプ。

3章は主人公はキウェテル・イジョフォーで世界滅亡にたじたじ、チャックの広告にたじたじとする。そしてチャックが踊りまくる2章を経て、チャックの人生に迫る1章という作りだ。

で、まあいきなりネタバレするけど、3章で描かれたのはチャックの中に存在する宇宙(抽象概念)。1章でチャックが幼少期に学校の先生から学んだ詩がキー。ウォルト・ホイットマンの一人一人の中に宇宙が的な詩があるんよ。そういうこと。

 

設定がめちゃくちゃ突飛とかいうこともなく、斬新な展開とかもない。染み入ってくる人間讃歌という感じ。2章のダンスが特にそうだが、見たこともないというような展開ではないのに、見てて退屈とかはしない。というわけで俺の中の面白いファイルに入るような映画でした。『ランニングマン』でも同じこと思った。面白くないわけではなく、かといって飛び抜けてもこないが、そこいらの映画と同じ枠でもない。

 

つまづいたポイントとして、3章の展開がある。3章はあらすじの通り、世界の終焉に際して至る所でチャックの広告が流れるというものだ。3章の主人公・キウェテルが元妻の家を求めて歩き彷徨う。夜、住宅街にたどり着いた頃、すべての家の窓にチャックの広告がボゥッと現れる。完全にホラー。個人的にはこっちの軸があまりにも楽しくて「広告の謎」をキーにすすめてほしかったなと思ってしまった。

全体を見た時に、3章はフックでありながら同時にエピローグでもあるという感じ。だから、あってもなくてもいいようなもんなんだが、その3章を一番楽しんで見てしまった。

チャックって一体誰だ…?という謎に引き込まれて、「地球を救うためにチャックがなんかしたとか?」とか、「サンキューは宇宙人からチャックへのメッセージでチャックが地球を上げちゃったのか?」といわばSF的に色々考えてしまった。その中で「まあこれ仮想世界って線もあるよな。チャックの脳内とか…。ただ、面白くないな。」と頭の中で面白くない選択肢として真の展開を予想してしまったので、1章でタネが明かされるにつれ焦ってしまった。

 

監督・マイク・フラナガンはXを見た感じ、キングに相性のいい監督として認識されてるらしい。初めて知った人でしたわ。俺に関係あることで言うと、DCUの最新作、クレイフェイスの脚本をやってるぽい。これもホラー。ということでホラー畑の人なんでしょう。ホラー描写がやけに上手い。これが、テーマの人間讃歌を裏付けてればよかったんですが、味が出過ぎてこっちをメインと勘違いしてしまった。3章だけでも腹一杯になれるくらい3章がいい。

もしかしたら俺のせいもあるかもしれない。早起きしたから、眠くならないようにガストでコーヒーいっぱい飲んで行ったんだが、カフェインのせいでめちゃくちゃトイレが近くなった。2章スタートくらいからはもう我慢してる状態だったので上手に映画を見れなかった。

キングの味がイマイチまだわかっていないのもあるかも。恥ずかしながらキング作品、全然見てないんですよ。ガチでランニング・マンとスタンド・バイ・ミーくらい。スタンド・バイ・ミーは、ガキの頃に見たのでイマイチ可食部がわからなかった。まあ、今思い返すと、ラストのモノローグが素晴らしすぎると思ったりはするんだが。

 

この染み入る人間讃歌映画はやっぱ論理的には理解できるんですが、感覚、感情的に理解するにはまだ人生経験が足りてない感がある。今年見たやつで言えば、『トレイン・ドリームズ』もそれに近かった。どういう話でどういうところが良いかとかは理解できるものの、人生が追いついてない。そんなわけで本作もこんななんとも言えん感じで感想は終わりだ。

 

ただ、本作の人は一人一人が宇宙という概念は本当好き。これは感覚的にも理解できるわ。そして最後のチャックのセリフも良かったし、染み入る作品には違いない。もうちょい、死が近づいてきたら見たいところではある。