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【感想】『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』/今年は微妙かもなぁ…。バイク対決が見たかったので。

タイトル:名探偵コナン ハイウェイの堕天使

  監督:蓮井隆弘

  原作:青山剛昌

  形態:映画

既か未か:未

 

 

『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』みた。

 

 

人気少年漫画名探偵コナンの映画シリーズ第29作目。コナンの基礎知識とかは知らない人の方が珍しくなってくるので割愛。今作は神奈川県警のバイク乗り回し系姉貴キャラ・萩原千速がメインキャラとなる。

ここ数年のコナン映画は膨大な量の原作から原作ではわざわざ回収するほどでもない要素を回収するための作品が増えつつある。また、これまでは「黒の組織」「怪盗キッド」「服部平次」で回してた劇場テーマを拡大してきた。最初は安室君や赤井(FBI)という固めのキャラがメインとなっていたがここ2年間は長野県警、神奈川県警と「それで大丈夫なん?」というキャラがメインに。別に面白さのレベルは変化しなかったので製作陣の挑戦は成功した形になる。

ちなみに今年のメインキャラ・千速はわりかし最近出たキャラっぽい。実際去年、映画館で来年フィーチャーされるのが彼女と知るまで存在を知らなかった。今回のために彼女の登場回を漫画で読んだが、2,3エピソードしかなくて楽だった。そして登場回で彼女がやることは基本的に交通法を無視してバイクで曲芸を披露するだけだ。だからどんなキャラなのかとかは一発でわかってありがたかった。逆にこの人で映画一本も出来んの?と思った。

 

こんなチラ裏ブログを読んでる人は皆無だろうが念のため言っておくと、批評寄りになるので色々な意見を聞いてみたい、反対意見も聞いてみて自分の感想を昇華したいという方にはむしろ読んでほしいが、コナンファンの人で自分が楽しんだ気持ちを否定されたくないという人は読まない方がいいです。

 

コナン映画は毎年までは行かずとも、割とちょくちょく見に行きます。ただコナン映画は「映画」としてよりは「エンタメ」として捉えるべきだと思う。実際個人的なマインドセットとしては「魅力的なオープニングを聴きにいく」が最も近い。タイトルが出てくるシークエンスが好きで毎年楽しみなんですよね。迫力あるし、音楽もいい。正直、そこが終わったらもう終わりでもいいかなという気分になる。俺にとってのコナンは「5分ちょいのタイトルコール〜あらすじ」+「2時間弱のおまけ映像」に近い。残りの時間は「映画を見る練習」をしている。映画を見た時に自分の中の考えをまとめるにはどうすればいいか。言語化って結構難しいんですよね。その時にコナンは「エンタメ」としては優れているが、「映画」としては足りない部分も結構あるのでそんなところの言語化の練習をしている。今作の感想も練習の成果です。オープニングを聴きにきただけなのに、映画鑑賞の練習までできるなんてなんて最高なんだろう。

 

今年の作品はそんな面白くなかった。ただ、これは世間全体の見解でもあるっぽく…。

 

 

ネタバレあり

 

 

工藤新一「俺は高校生探偵、工藤新一。 幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した。取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった。俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら…」江戸川コナン「体が縮んでしまっていた。 工藤新一が生きていると奴らにバレたら、また命を狙われ周りの人間にも危害が及ぶ。阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は蘭に名前を聞かれ、とっさに江戸川コナンと名乗り、やつらの情報をつかむために父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。」「小さくなっても頭脳は同じ。迷宮なしの名探偵。真実はいつもひとつ!」

 

バイクのイベントに興味を持った主人公一行。いつメンに加え、蘭の同級生・世良ちゃんを加えて神奈川に赴くことに。移動中に怪しげなバイカーと遭遇。そのバイカーに追いかけられていた男女が事故を起こし亡くなってしまう。バイカーが乗っていた黒いバイクが、バイクフェスでお披露目された白バイ「エンジェル」に似ていたことから、「ルシファー」と名付け追跡する。追うのは神奈川県警交通機動隊の萩原千速と同じく県警の横溝重吾。ルシファーに乗った人物とその目的とは一体…。という話。

 

まず一番あかんところから言うんだが、このストーリーとバイク一本槍のメインキャラ・千速から出てくるラストアクションがバイク対決じゃないのが最もダメだと思った。まあネタバレありと言ってるので犯人を言ってしまうと、(今年は入り組んでるものの)ルシファーにまたがっていたのはバイクに乗ることができなくなってしまった女性だった。(ルシファー、もといエンジェルには運転アシスト機能が最新技術としてついている)。遠因の一つは千速にあり、いつか千速とスピード対決をしてぶっちぎることを目的にしていた。

この場合、どこからどう考えても、ラストシークエンスは千速と犯人がバイク対決をしなきゃならん。まあもしくは「あえて」しないと言うのもあり。しないこと自体がドラマとなる展開だ。だけど本作での犯人とのバイク対決は一瞬ちょろっとされる程度である上に、その決着はあまりにも残念なものとして終わる。ちょっと後述するが近年のコナン映画の弊害が出てる。

100歩譲っても千速のバイクアクションがあればいいんだが、バイク単体だとトンチキアクションができないと考えたのか、あまりにも盛り上がらない。まず多くの人がパッと思い浮かぶのはオープニングシークエンス。ここは良かった。側面走ったりとか、下の車線に着地したりとか。一方でその後のチェイスは出涸らしたのか、さっき見た着地をもう一回ゆっくりやったりとか、盛り上がりづらい。ラスト一歩手前では端の吊り上げの部分を走って空に飛ぶという「マリオカートワールド」的なシーンがあるが、それはマリオカートワールドで見た。まあそこはいいとしてもそれで千速のバイクアクションは終わるからね。

スピードを下げたら爆発する爆弾とか自動走行を切るか否かとか、アクションアイデアに上手く昇華できそうなフックは多いんだが、なんかびっくりするほど上手く使われない。爆弾はコナン君がサラッと解除するのでただ「バイカーがルシファーを降りれないようにする」というミステリの仕掛けだけのものだし、自動走行はそもそも雑にしか扱われない。ワイスピとかで見た気がするぞ。

という最も大きな不満でした。この映画が多分「千速のバイクの映画」というメインを持ってる以上はそこをしっかりと描かないとダメだと思う。例えば、去年は長野県警の映画だったんだが、そのロマンスはしっかり書いていた。俺はおっちゃんが活躍する映画だと思って見に行ったので、おっちゃんがしてることがいつもと対して変わらなかったのにがっかりしたが、「長野県警が活躍する」というのがメインだと理解してそこは楽しむことができた。千速で映画一本作ろうとした心意気は買うが、調理はうまく行ってないと思うぞ。

 

小不満としては微妙な描写のわかりづらさが気になった。一見矛盾点っぽく見えてしまうところとか。例えば、千速の過去描写として彼の弟・萩原研二と松田陣平が登場する。このシーンと、研二の殉職を千速が知るシーンの時系列がわかりづらい。この日のおそらく朝?かな、に千速と研二、松田が一緒に家にいて研二と松田が爆弾処理のため呼び出される。そしてその日に研二が殉職。そのことを知らない千速は重吾に弟から連絡がないことを相談、弟の死を知らされる。彼女は朝から関係者回りをしていたからニュースを知らなかったという。これ、最初は「いや、朝は研二と松田とおったやん。」と思ってしまったが、同じ日の話じゃないってことなのかな?原作読んでたらわかるのかもしれんが、わかりづらい。

そういう、些細なんだが細かな違和感が多かった。あゆみちゃんがコナンをビンタするシーンの意味のなさや、AirPodsを父親にプレゼントするのにガラケー使いの蘭。あとは松田と研二がスマホ使ってるのは時系列的にダメなんじゃない?蘭に関しては、なんかこだわりあった気がするからいいけどね。そんな話があった気がする。まあなら去年の証人保護プログラムの話の時みたいにモンタージュしてくれたら嬉しかった。ってかAirPods出す意味があんまり感じ取れなかった。コナン君が追跡される側に回るのはちょっと面白いアイデアだったけど。

 

良かったところは主に序盤。おっちゃんのカーチェイスとか一瞬だけど良かった。あとヘリから射撃するおっさんの姿勢が面白かった。あんな感じでやるのね。あとルシファーのどこまでも追ってくるっぷりが8部のスタンドに似てた。あんなやついたよね。ペイズリー・パーク初めて出てきたときね。

あと、千速が浅葱野本を訪れるシーンも良かった。漫画読んでる時は快活なだけの姉貴だったので、この人も何か「ドラマ」を抱えてるのか?と期待が高まった。まあ有機的には回収されなかったが。

 

上記コナン映画への不満の原因、先ほども言った近年コナン映画の弊害は「要素がごった返してるところ」だと思う。なんか最近は映画の要素が以上にごった返している。例えば、今作は本来、「千速とバイク」に要素を絞るべきところだ。だが、キャラの要素で言うと「神奈川県警のロマンス」、「世良ちゃん」が、抽象要素で言うと「複数の犯人」「軍事利用のためのデータ集め」「それを阻止する集団」「首なしライダー」とむやみやたらに増やしている感じがする。そしてよしゃいいのに「自動運転」など最新技術に目配せ。老若認証の時も思ったが、例えば、自動運転なら責任所在的な倫理的問題、そうでなくともなんとか面白い展開を作れそうなもんなのにあくまで要素的にしか使われない。それなら最新技術とか出さない方がノイズにならないのでいい。

近年コナン作はそうやってごった返させた要素を、有機的に結びつけるのではなく、無理やり結びつけてるところに特異性がある。その結び付けが強引だが、結果的に上手くいってるのが『ハロウィンの花嫁』とかだと思う。あれは、その強引な結び付けによって出る弊害、歪みを「犯人プラーミャが強すぎる」というギャグ的方向に持って聞くことによって回収したからだ。それに近い感じで少なくともどれか人要素にデカめの犠牲を払わせる感じで上手く結びつけるのがセオリーとなると思うんだが、今作は全要素がちょっとずつ歪みを持った結果良くない感じになりましたね。まあ、去年のやつもそうだったと思うが。

 

ファンムービー的な側面を持ってるから仕方ないにはせよ、一つ押し出す要素をしっかり決めてそのための映画を作って欲しいですね。今作は絶対に犯人と千速のバイク対決をちゃんとやってほしかった。犯人との因縁を断ち切るのかどうか、千速はどんな答えを出すのかが映画の決着になると思ってました。というか因縁の話で言うと、千速のキャラ的にも研二と松田が言ってたセリフは知らなかった方がよかったでしょう。言わなくてももう千速は気づくことができたというエンドの方が綺麗だったと思う。ってか実際言ってたことは想像を大幅に超えてどうでもいいことだったので尚更言わん方がよかった。観客の全員がどんなこと言ってたか気づいてると思う。これは王道を回収する気持ちよさと言うよりは陳腐なだけだと思う。

 

本年は文句が増えてしまったが、実は個人の倫理的命題に反していたという理由では去年の方が文句は多かった。そういう意味では去年の方が良い方にも悪い方にも振れ幅が大きく、今年のは無味無臭だったと言う感想が近い。でも別にコナンが嫌いなわけじゃないからね。今年は好きなキャラがほとんど出てなかったからというのもあるかも。本庁の人たち(由美たんとかは出てたけどね)とかFBIが好きなのでまたそれメインの時も楽しみだ。あと博士も結構好きなので博士の本気を見たい。

来年のは純粋に楽しみです。たまには「江戸川コナン」が出ない映画を作ってもいいんじゃない?毎年こうやって楽しませてくれて本当に感謝と言ったところではある。

 

龍里さん(竜崎さんっぽいな。アカギの。)の声なんか聞いたことあると思ったら、シャーマンキングの道潤の声だった。懐かしすぎて泣いた。

 

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