THE さめ 映画とか感想

映画好きです。

【感想】『モブランド』/フィクサーって大変。トム・ハーディ。

タイトル:モブランド

  監督:ガイ・リッチー/アンソニー・バーン/ローレンス・ガウフ/Daniel Syrkin

  形態:ドラマ

既か未か:未

 

 

『モブランド』見た。

 

 

パラマウント産マフィアドラマ。主演はみんな大好きトム・ハーディ。あとピアース・ブロスナンとか、ヘレン・ミレンが出てる。あらま、豪華だわ。パラマウントプラスが日本からいなくなってしまうので一生見れなくなる前に見るかと思って見た。他にはソニックのドラマ『ナックルズ』みたけどそれなりの出来だった。『タルサキング』も見ようか迷ったが、スタローンは共和支持イメージが強い。またいつか見れるようになった時でいいや。

 

結論から言うと、面白かったです。1日1話見て、最終日までになんとか間に合うかなくらいの試算だったけど、全然食い入るように見てしまった。ただ後述するが、どのような「見方」がよかったのかはよくわからん。まあ面白かったのは事実。

トムハは好きだが、それ以外の俳優、製作陣に大した思い入れとかはない。監督の一人がガイ・リッチーだが、冷静に考えたらガイ・リッチーに対するイメージとかがない。改めて考えるとちゃんと見たことあるのは『アラジン』だけだ。シャーロックは途中まで見て止めたから。そんなもん。

 

ネタバレあり

 

マフィア・ハリガン一家のフィクサー(もみ消し役)を担う男:ハリー・ダ・スーザ(トム・ハーディ)。ハリガン家の大ボス:コンラッド・ハリガン(ピアース・ブロスナン)とその息子にして幼馴染のケヴィン・コンラッド(パディ・コンシダイン)への忠誠心を持っている。ある日、同じくロンドンの偉大なマフィア:リッチー・スティーブンソン(ジェフ・ベル)の息子:トミー(フェリックス・エドワーズ)が行方不明となる。最後に一緒にいたのはケヴィンの息子:エディ(アンソン・ブーン)。フィクサーとして捜査にあたるハリーはエディがトミーを殺害したことを知る。二つのマフィア間で戦争が起きようとしていた。

 

マフィアのフィクサー:ハリーが頑張るドラマ。だが馬鹿共のせいで状況はどんどん悪くなっていく。まず、老共。ハリガン一家のドン:コンラッドとその妻:メイヴ。特にメイヴのイカれ具合がやばく、そして異様にプライドが高い。思いつきとかで動きまくるし、その背後に周到な計画とかしたたかさがあるかと言えばそんなことはないままラストまで突っ走る。コンラッドはすでに若干耄碌しており、メイヴに振り回され気味。ちなみにエディにトミーを殺させたのもメイヴ。理由は後述。この二人が物語をあかん方向に推進しまくり、起きなかったはずの戦争を起こしてしまう。

そして若のバカ代表はケヴィンの息子:エディ。この物語はそもそもエディがラリってクラブで人を刺してしまったところから始まる。当然、ハリーがもみ消しにあたるのだが、その過程で芋蔓式にやばい話が出てくる。エディは若いちゃらんぽらん。先述の通り、メイヴに吹き込まれてトミーを殺害。こういう親の権威にあぐらをかいたチャランポランを見ると真剣に腹が立つ。ハリガン一家はこの老と若のめちゃくちゃ加減により戦争状態へと突入してしまう。

 

他のハリガンを紹介すると、おじいちゃんおばあちゃんのコンラッドとメイヴの息子がブレンダンとケヴィン。コンラッドと妾の間に生まれた子がセラフィーナ。とかそんなもん。別に覚える必要はない。

 

全10話でハリガン一家とスティーブンソン一家の戦争を止めようとするが開戦、そして終わりまでを行い、その最中で正直、薄味の引き伸ばし的展開をやったりやらなかったりする。別につまんないわけじゃないのでいいか。ハリガン一家に裏切り者がいる!というのがフックになっており、最終話でその存在が明らかにされるが、別に大物でもなんでもない。そもそもそのフックにあんまり興味を持ってなかったのでいい。純粋にハリーがてんやわんやする様子が楽しいドラマだ。

先ほども言った通り、バカ共、特にメイヴのあらしっぷりがエグい。まず、初っ端から裏切り者じゃない人間を裏切り者と進言、コンラッドに殺させる。ここでの殺害のせいでメキシカンマフィアとのパイプが途切れ、後々窮地に陥ることになる。それに加え、ハリーを疑い出し、さらには戦争の引き金をひく。リッチーは自身の息子トミーが殺されたのはエディのせいだと勘付きながらも戦争だけは避けるべく、取引を行う。取引とはトミーの葬式にハリガン一家が出席すること。葬式の場ではリッチーとコンラッドによる話し合いが行われ、リッチーは戦争を望まぬことを告げる。双方同意したが、バカ共はギスギスしており、エディは葬式の場でリッチーを煽りまくり、またメイヴはリッチーの妻に煽られる。その結果、メイヴはキレて後日リッチーの妻を爆殺。戦争が始まる。メイヴはこの後も戦争中なのにリッチーと連絡をとり、コンラッドと妾の娘セラフィーナを殺させようとする。セラフィーナを売ってセラフィーナと一緒にいる自身の本当の息子:ブレンダンの命を助けてもらおうとする。だが案の定、どっちも殺されかける。当たり前だ。普通にアホだと思う。

 

そんな感じでどんどんメチャクチャになっていく状況をハリーは必死に解決しようとする。そしてその過程でヤバめのやつに協力を頼んだりして後の自分の首を絞めていく。また実の妻と娘との仲も当然悪化していく。特に娘はエディとヤったりしはじめて、もう俺がこの立場だったらその場にいる全員を殺して俺も死ぬだろう。ただ、ハリー役、トム・ハーディは全く文句も言わず淡々と仕事をこなしていく。ハリーの考えはいまいち読めないが、ハリガン一家への忠誠心はガチ。だが、コンラッドら、老の時代はもう終わると冷静に捉えてるっぽく、その忠誠心の根幹は幼馴染のケヴィンにあるようだ。

ケヴィンはガチで可哀想。実の父母:コンラッドとメイヴはイカれ果て、息子のエディはトミーを殺す問題児だ。息子が2大マフィアの戦争の引き金となった。顔面蒼白。しかも、エディは実はケヴィンの子ではなく、ケヴィンの妻とコンラッドとの間の子供だった。もう全部が嫌だ。ケヴィンは他にも色々可哀想だが、ハリーという親友がいてよかったね。ケヴィンは途中までサム・ロックウェルが演じてると思ってた。

 

吹き替えで見たんだが、トムハの声優が加瀬康之だった。デッドプールとかの人。トムハの声優って安定しないね。諏訪部順一で行くもんだと思っていた。わりかし吹き替えを愛用する人間としてはこの俳優はこの声優って決まってた方が見やすいところはある。とはいえ、別に加瀬も諏訪部もハマってるのでどっちでもいい。例えば、カンバッチとかはもう三上ボイス以外で聞く気はあんまりない。あんまりないとはいえ、ハマってたらそれでいいんだけどね。どうでもいいが、故藤原啓治の役の多くを森川が受け継いでいるが、ロバート・ダウニー・Jrはあんまり合ってない気がするなあ。

 

上述した「見方」についての話だが、どう見ればいいかあんまりわからなかった。「マフィアかっけー」ものではないと思う。それにしてはコンラッドとメイヴがアホすぎる。だからといってマフィアを矮小化してシニカルに捉える作風でもなさそうなんですよね。それにしては作品に重厚感が溢れている。まあ多分、ハリー大変だなあ、ケヴィン大変だなあみたいにこの二人に感情移入して見るべき気なんだろう。でもこの二人がマフィアを否定する物語でもないんだな、これが。まあ1しか見てない分際でなんだが、偉大なマフィアものといえば『ゴッド・ファーザー』。あの映画はマフィアの哀愁を描いた映画でその前提には「マフィアの時代遅れさ、ファミリーを優遇しながら暴力を肯定する矛盾」が敷かれており、だからラストシーンのマイケルがマフィアになっているところを妻が見つめていてドアが閉まっていくというとこが絶賛されてるわけで。そういう感じの前提は本作からは感じ取ることができず。コンラッドとメイヴは死なないので「おっす」くらいの感想しかない。

そして制作がパラマウントということでマフィアをかっこいいものとして捉えてそうなのが気になる。トムクルには悪いが、パラマウント産の作品って全体的にふわふわしており、そんな雰囲気で「マフィアってかっこいいよね」と思ってそうだ。「もちろん犯罪もするけど、こんな俺たち、やれやれ」とでも言ったような欺瞞だろう。やれやれの部分をもっと考えろよ。この作品、ひいては他の多くの反社ものは反社をかっこいいものとしてかいてる時点で食欲失せる。まあキャラとしては好きだが花山薫とかも近い。みんなは花山がどうやって稼いでるか知ってるだろうか。おしぼりのレンタル料とからしい。あんまり舐めんなよ。「町を守るいいヤクザ」概念はすごく嫌いだ。もうほんと、ガチで嫌い。

まあこと本作においてはそんないいヤクザ論が敢行されてたわけじゃないし、仮にケヴィンがハリガン一家を潰してしまっては続編が作れなくなっちゃうので仕方ないと思う。上記の文句も作品への不満ではない。どっちかというと『ニセコイ』とかへの不満だ。ただ、実際問題干渉とかはされてないと思うが、パラマウント産じゃなかったらコンラッドとメイヴのラストはどうなってたか気になる。A24とかだったら辱めを受けてメチャクチャに死んでたのではなかろうか。知らんが。

 

エディってどうなったんだっけ。忘れた。一応ラストはS2への引きで終わった。とはいえ、リッチーとコンラッドとの戦争にはちゃんと終止符を打ったのでえらい。海外ドラマはクリフハンガーしすぎて全てがどうでも良くなることがよくあるので本ドラマ一本でしっかり楽しめたのはよかった。

こんなマフィア像見せられてると「デウス・エクス・マキナ」的でいいので、デアデビル的な全てを解決してくれるヒーローが欲しくなってくる。マットに全部メチャクチャにして解決してほしい。世の中から犯罪がなくなればいいのに。これは非現実的な理想論としてバカにされがちだが、現状追認よりはマシでっせ。理想論に向けて近づけることこそが大事で云々とかはもう言わんが、犯罪行為は無くなってほしいなと思う。漠然。ちょうど本日より『デアデビル ボーン・アゲイン』が配信されてたりする。フィクションの世界だけでも犯罪集団がボコボコにされてほしいもんだ。