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【感想】『ティガー・ムービー/プーさんの贈り物』/ウェルメイドな良作。家族とはを何度もやり続けたディズニーらしい作品。

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タイトル:ティガー・ムービー/プーさんの贈り物

  監督:ジュン・ファルケンシュタイン

  原作:A・A・ミルン

  形態:映画

既か未か:既

 

『ティガー・ムービー/プーさんの贈り物』みた。

なぜ雑記とこの映画の感想の間にガチ映画『ウォーフェア』を潜り込ませたのかはガチでわからん。ただ、『ウォーフェア』をレイトショーでみて眠れんくなりそうだったので心を落ち着かせるためにもみた。

日本での劇場公開作としては第1作、『くまのプーさん 完全保存版』に続く2作目。とはいえアニメシリーズ『新くまのプーさん』ラインの『くまのプーさん クリストファー・ロビンを探せ』が本国では劇場公開されてたりする。多分。ググったら違うかもしれない可能性が出てきた。少なくとも日本ではビデオスルーです。

まあ簡単に言うとディズニーアニメ映画はピクサー産とかのややこしい話を除けばジャンプにおける主流「週刊少年ジャンプ」と「ジャンプスクエア」だの「最強ジャンプ」だの「赤マルジャンプ」だのといった副流に分類されます。これは純粋に制作スタジオの違いなんだが、みんな大好き『リトル・マーメイド』とか『アナと雪の女王』とか、基本的に有名なディズニー作品は主流側ですわ。まあそんな中で副流の中でもかなり知名度高めなのが本作です。そうです。副流です。

この『ティガー・ムービー』は感動作としての人気も高いし普通に作りといてはいいけど個人的にはプー作品としては好きでもないです。まあただ映画としては面白いので全然好きな部類には入る。

 

100エーカーの森の中でもプーに次ぐ知名度のティガー。一匹狼の印象が強い。虎なのに。ティガーの歌というのが存在して、まあ知ってる人も多いと思うけど「俺様はティガー、世界一の虎」ってやつ。これは言語版では主語がtiggers、つまりティガーという種族について話してる(catsみたいなこと)と思いきやtiggersの一番いいところはこの世に俺一人しかいないってとこだっていうオチをつける型の言語遊びの歌なんだけど、翻訳過程でそこは消えた。日本語に種族を表す概念がないから仕方なし。

そんなティガーが本作では家族を探す。なんと自前の歌に切り込んできたという面白さ。というわけで目の付け所はすごい面白いと思います。

 

ネタバレあり

 

晩秋、100エーカーの森ではプーら森の仲間たちは冬越えに向けて準備を行なっていた。そんな中みんなと一緒に飛び跳ねたいティガー(ジム・カミングス)プー(ジム・カミングス)の発言によりこの世界のどこかにいるであろう家族を探し、手紙を出すティガー。そんなティガーを見かねてティガーのことが好きなカンガルーの子供、ルー(ニキータ・ホプキンス)は森の仲間と協力してティガーの家族のふりをして手紙を返すことに。帰ってきた手紙を見て大喜びするティガー。そしてその手紙を見て家族なら明日家に遊びにくるはずと確信。森の仲間たちはティガーの家族のふりをすることに決める。

 

冒頭、実写の子供部屋から始まる。ナレーション「ごくありふれた子供部屋ですが、、、」謎の逆接。これをやるかやらないかで結構好感度が変わってくる。本にクローズアップしていく。知らない方向けに説明しておくと、プーさんの原作がイギリスの児童文学で作者のミルンが息子の人形遊びから着想を得てるという基本情報が反映されてる。

本の中から出てきてナレーターと会話するティガー。「いつもこのクマの話だよな」。確かに。でもプーが主役だからね。そんなわけでティガーの歌が始まって物語に移っていく。

 

冬籠の準備をする森の仲間たちに飛び跳ねようと誘うティガー。忙しい時にこんな能天気なことを言ってくる人はちょっと嫌だなあと思いつつも、こうやって誘ってくれる人は本当に大事にしなきゃダメだよね。冬越えのために蜂蜜の壺の数を数えてるプー。保存性も良さそう。知らんが。

プー「僕らはティガーじゃないからティガーみたいに飛び跳ねることはできない。」そりゃそうだ。現実で言われたらちょっと傷つく。プー世界はこんな感じの純粋だけどだからこそ残酷(他の感想文で書いてたこと丸パクリ)という展開は多め。幼稚園児を見てるみたいだ。プーは実際5歳くらい。だがティガーはこのセリフをウルトラ好意的に解釈、他のティガー、つまり家族を探せばいいと気づく。

 

オウルの家に家族のことを聞きにいく。ティガーとルー。オウルは森のフクロウです。話が長い。というかプーのキャラはメイン、十人行かないくらいしかいないので今後は所与のものとして書きます。吹き替えで見たからわからんが多分原語版では家系図=family treeの話をしてるんだろうオウル。ティガーは家族の木というものが存在してそこに家族がいると思い込む。原語だとわからんくもないけど、吹き替えだとエキセントリック解釈すぎておもろい。プーシリーズはこんな感じの言葉遊びが魅力だけど、それが翻訳過程で拗れて森の仲間のイカれ度が上がるのは割と好き。

 

とりあえず家族に手紙を書くティガー。この間にプーたちはティガーの家族を探す手伝いをしてて縞模様のカエルを見つける。縞、飛び跳ねるの2条件だけからティガーの家族説。この自由解釈、抽象性は我々も見習うべき。確かに比べる条件によっては全然プーたちよりカエルの方がテイガーに近い。このブログにも感想書いたんですが『魚が存在しない理由』も大体はそんな感じの話だ(捏造)。

正直な話、真剣な方からは怒られると思うがプーさんシリーズはこういう天然ボケ部分を楽しむものだと思ってるので本作は少なくて悲しかった。割と真面目で固い作りだったというかね。

 

手紙の返信を待つティガー。ルーは家族のふりをして手紙の返信をすることを提案、ラビット除く森の仲間たちが集まり、ティガーの手紙を書く。各々が家族っぽいメッセージ案を出していく。そして全肯定。就活とかのグループディスカッションもこんな感じで頼むわ。「体に気をつけて」とか「よく食べて」とかまるで一人暮らしの息子への田舎の母の手紙の内容。一緒に故郷の野菜が届いたら泣いてしまうだろう。

 

次の日の朝、手紙を見て大喜びのティガー。〜〜のティガーという文章によってブログ内場面転換を図っていることがそろそろバレそうだ。みんなよかったねと反応。でもティガーは超解釈で明日家族が遊びにくると理解。もちろん手紙にはそんな内容書いてないのだが、同族の匂いでわかるとかいうティガー。プーシリーズはコミュニケーションの難しさを抉り出してくれる。みんなが死ぬほど焦ってる中、一人だけ本当に何も考えてないプー。「そりゃよかったね。」

 

ティガーは家族を歓迎するパーティーの準備を始める。自宅で。自宅って完全保存版とかでは出てきたんだっけ?全然覚えてない。森の仲間たちが思いついた案。それはティガーの家族になりすますこと。心が痛むぜ。嘘を嘘で塗り固めていく感じ。これは私利私欲のためだとか普通の映画では「やめときゃいいのに」の感情なんだけど、ルーたちは完全善意でやってるんだから尚更つらい。ってか一緒に暮らそうとか言われたら詰むしな。ラビットは冬ごえで大変な中こんなバカなことやるなみたいな感じだけどそれ以外のみんなは断行。歌歌ってるからね。ノリで勝負じゃい。

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ティガーの家へいくみんな。最初は危ういながらもギリギリを攻めるがルーが調子乗りすぎた結果バレる。子供に調子乗りすぎとかあんま言いたくないけどね。自分は楽しいと思ってるけど周りに静止される感じ。人の輪で生活できない方々なら経験したことがあるだろうあの空気の冷たさを思い起こさせる。当然ティガーはバカにされたと思って怒。一人で家族の木を探しにいく。被り物被ってティガーの家族のふりをしてたんだけど、バレた時、プーは自分から脱いで「君のためにやったんだ」と言う。すれ違い。悲しい。

 

ティガーを探しにいくみんな。ラビットも手伝ってくれる。なぜかオウルとカンガはいないけどこの二人は「安心」を想起させちゃうから一時的に抜いたんだろう。なんたって吹雪がすごいからね。

そんな感じでラビット(ティガーと腐れ縁的な描かれ方をされる。)が活躍したり、最後にちょろっとクリストファーが出てきたりして終わる。もう言わなくてもわかるよな。ティガーの家族はずっとそこにいたんだ。

 

まあそんなもんすかね。書き忘れたがミュージカル形式で途中のティガーがこんな家族がいると思う!的な歌がすごい好きです。一回の歌の中で信じられない回数「ティガー」って言っててゲシュタルト崩壊的に笑えてくる。一見の価値あり。

 

この作品は冒頭に書いた通りそんなに好きでもないですね。もちろん嫌いではないけど、ぷー作品てだけでとんでもなく偏った評価をしちゃう自分にとっては普通のいい映画止まり。これがなんでかっていうと真面目だからですね。プーさんシリーズに自分が求めてるのはカオスなのでどんどんカオスがドライブしていく『くまのプーさん(2011)』とかの方が好きかな。ちょっとみんないい人すぎるとこがあります。たどり着く結論はめっちゃいいんだけどね。まあだけど「知ってるよ!」とも思ってしまう。やっぱ個人的に求めてるものの違いなんだけど、プーのエンドにはもっと一見軽そうでありながら哲学的な感じを出してほしいですね。そこで終わらないというか。

まあ良くも悪くもウェルメイドな作品って感じすかね。これをタイトルにしよう。以上です。