THE さめ 映画とか感想

映画好きです。

【感想】『野原ひろし 昼メシの流儀』/茶化してないところに非常に好感を持った。

 

タイトル:野原ひろし 昼メシの流儀

 原作者:塚原洋一

  形態:アニメ

既か未か:未

 

 

『野原ひろし 昼メシの流儀』見た。

有名国民アニメ『クレヨンしんちゃん』の公式スピンオフ。漫画原作のアニメ化。漫画連載時、特に連載スタートあたりからはやる気のなさそうな作風であったりでネットミーム的漫画として一角を成した。ネットでは本作に出てるひろしを偽物として扱う風潮がある。詳しくは知らんがpixivでの件とか色々あるっぽい。はっきり言ってこのノリはあんま好きじゃないです。おもん無いやつのユーモア感がすごい。というか擦りすぎなんよね。最初に偽物がどうだの言った人はまあいいんだが後に連なりすぎてる。

ネットバカにされで記憶に存在する『100日後に死ぬワニ』。これをバカにする風潮が強かったがそれに乗じて調子乗って、映画館の座席予約で文字作ったりして「それはちょっと、、、」って空気が冷めてた感じを覚えてる人はいるだろうか。その冷めを感じる。最近しくじり先生で中山功太がこれを言ったら芸人失格をやってたが、「野原ひろし偽物ネタ」「和製実写腐し」「ワンピ、ヒグマ最強説」等を特に考えなく言ってる奴は死罪でもいいんじゃないだろうか。

クレヨンしんちゃん自体はそこそこ好きです。というか劇場版クレヨンしんちゃんが好きですね。初めて映画館で見たのが『バカうまっ!B級グルメサバイバル』。当時まだ子供だった俺にとってはこの世で一番なんじゃないかレベルで面白かった。その翌年が『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』。このダブルパンチにやられてクレヨンしんちゃん映画は毎年映画館に観にいくようにしてきた。そんな俺にトドメを刺したのが一昨年の恐竜のやつ。おもんなさそうすぎて劇場まで行かなかった。実際に配信で見たがクソだった。去年のインドのやつは観に行きました。

こんな感じでクレしん論は語ろうと思えば割と語れる。だからネットのノリが恐ろしいほど嫌いです。第一面白くないもんね。俺は「野原ひろし偽物ミーム」も「野原ひろし名言集」も「ひろしがミソジニストっぽいセリフを言うミーム」も全部反吐が出るほど嫌いです。と言うか上べだけなぞる系のネタがあんまり好きではない。元ネタまで把握して初めてネタとして消化するべきだろう。もちろん身内間とかならいいがここはインターネットだ。

そんなわけで単にネタとして消化するのが嫌でちゃんと原作途中まで読んでました。『昼メシの流儀』。別に真剣に評論とかするタイプの漫画じゃないし完全流し読み。今回アニメ化に際しては詳しくはよくわかってないが蛙男商会が関わってるぽい。鷹の爪団は普通に好きです。アニメの感想ザッパに言うと真面目に作ってたのが良かったってところかね。

 

ネタバレあり(ネタバレなのかもよくわからん)

 

春日部在住、野原家の大黒柱、野原ひろし(森川智之)35歳。二人の子供の父であり双葉商事で係長を務めている。仕事に家族に人間関係に、そんなひろしの息抜き、昼飯。その日の体調と財布に相談して自分が何を食べるべきか素早く判断し、初めての土地で店を見つけ出さねばならない。ひろしは昼飯にただならぬこだわりを見せるー。

 

全12話で基本的に1話につき2エピソードが入っている形。最終話とその直前の1話だけはちゃんと繋がっている。と言うか漫画に比べて完全1話ぶつ切りではなくほんのりとした続き物の空気が漂っておりそこがすごい良かった。アニメなので1エピソードごとにまとめるのがめんどくさい。だからいつもの如く登場人物順にまとめる。

 

野原ひろし

主人公。クレヨンしんちゃん的な話をするとこのひろしが野原家の中で一番パンピーに近いイメージが強い(次点でシロ)。だから庶民的に昼ごはんにこだわる話がやりやすいだろうと言う浅はかな思惑で連載開始したのが本作だろう。時代の流れを考慮してか、原作からしてそうだったかは覚えてないがねーちゃんにデレデレする描写はほぼゼロに近い。これは別になんとも。声優が森川さんに変わって久しいが完全に慣れたね。と言うか俺個人は変わったばっかの頃から慣れてる。でも強いて言うならひろしの汚さがまだ足りない感じはする。故・藤原啓治のそれこそ、ねーちゃんにデレデレする声とかとはやっぱりどーしても比べてしまうよね。本家大元の森川智之が声を当てていることもあり、パチモン感とかサイコパス感は限りなく脱色されている。そこがすごくいいよね。アニメ序盤では回転寿司回でしんのすけたちが出てくるシーンがカットされたためしょうもないことを言ってるやつらがいたがそんなことは意に介さないでください。

川口にたじたじしたり高桐君と仲良くなったりと普通のサラリーマン感が増幅されており、なんか書くことは少ない。

 

川口

アニメでもちょいちょい出てくるひろしの部下。ひろしに奢りを強要したり、機嫌がすぐ悪くなったりと現実にいたら嫌なやつとしてキャラ設定されている。本家ではそんなイメージないけどね。でも今作ではそーいうものとして受け入れよう。後述する高桐君がZ世代代表キャラとして出てくるがなんか川口の振る舞いの方がZ世代に近いよな。自分以外に世界がない感じ。そんな川口だが次第に高桐君と対立し始める。めちゃ文句を言う川口に対して思わずお前の方が悪いと言ってしまうひろし。この軸が最終話へ向かうラインとなってくる。俺もそれが正しいことじゃないと分かりつつ、全然わかってくれない相手に強くモノを言ってしまうことはよくある。でもこれってどうすればいいのかわからん。優しく、それとなく、もしくは直接真剣に伝えても川口みたいなやつって本気で取り合わなかったりしてくるよね。こっちとしてはちょっとずつつまみを回して強火に近づけてるつもりなんだが融和してくれるタイミングがない感じ。

川口がどうなっていくのか、また、それにアンサーをちゃんと出したって言う点でもこのアニメはそこそこ評価してます。

 

高桐あきたけ

オリキャラ。双葉商事の新入社員。インスタ?かなんかで料理のことを挙げてるらしく、ひろし以上の飯へのこだわりを見せる。だからと言って別に奉行ってわけじゃなく普通にいいやつとして描かれている。漫画ではこんなネームドキャラだったっけって感じだけどアニメでは結構ちゃんとサブキャラ。ひろしに連れて行ってもらったうどんすきに関しては行ったことある→インスタで上司に連れて行ってもらったと喜び投稿→でも歓迎飲み会は断る。というZ世代感のある空気の掴みづらさがメインのキャラとして存在させようとしたんだろうが(漫画では実際そんなイメージ)歓迎会の断り方とか食へのこだわりを薄めるシーンとか普通にいいやつ、エリートって感じ。その優秀さ、意外なノリの良さだったりでひろしとすぐに意気投合。それが川口に嫉妬をもたらし始める。

 

四杉遙

オリキャラ。この子はあんまメインストーリーに関係ない。自意識過剰な性格で、喋ったことすらないひろしに狙われていると思ってる。いわばギャグ漫画で数回に一回入れるマンネリ防止回の主人公。高桐くんといい、彼女といい、アバンでサラッと登場させてキャラの性質をちゃんと語ったり、アニメとして当たり前ではあるんだけどそう言うところが丁寧なのはすごい好感。

 

 

序盤は漫画連載時も話題になった回転寿司回とか「テーマパークにきたみたいだぜ」を消化しつつ単話で進んでいく。何度も言っているが「真剣にやった結果ふざけてる感じになりました」というバランス感がすごいよくてたとえばケバブ回は漫画ではコピペを馬鹿にされてたけどそのようなことはやらなかったり、ちゃんと漫画で意図されていた演出を出力できているのが偉い。これが「見てみて、ふざけてるっしょ」って感じだとすごい嫌なんだよね。去年見た『必殺!恐竜神父』がまさにそれ。今アニメでは料理シーンを実写にしたりOPがチープなCGだったりする。そこはギリギリの綱渡りよね。まあこのフラッシュアニメ的作風だと料理をグルメアニメなのに料理をリアルに出せないとかの葛藤があったんでしょうきっと。わりかし真面目に作ってる感あったから好感を持って受け止めよう。

OPはまた最初に行ったやつ以外はしょうもないノリが流行ってたが別にいいでしょう。ここも好意的に受け止められる。ギリ。

 

最後はなんや感や丸く収まり、原作第一話のカツ丼の流儀回を持っておわる。ここでひろしの昼メシの流儀=出されたモノを残さないことだと明かされる。いい演出。原作読み直したら流石にタイトル回収はアニオリだった。別にひろしにプロ的グルメ目線は求めてない。庶民的なのがいいからね。すごい良かった。

 

そんな感じ。別に心の琴線に触れたりだとかえぐいほど感動したりとかはしなかった。だけどツボはちゃんと押さえて失点はしない感じが手堅くてすごい良かったかな。シーズン2はあるのか知らんが別にあったらあったで見るしなかったらなかったで見ない。やっぱひろしがパンピーすぎて誰かと関わってこそ面白いからもっといろんなキャラ出して欲しいかな。でもそれなら『クレヨンしんちゃん』本編見りゃいい話だもんな。ひろしの飯、しかも昼限定。と言う果敢すぎる絞り込みをした割には原作も安定して続いてるし諸々力強さを感じる。