
タイトル:闘牌伝説アカギ 闇に舞い降りた天才
原作者:福本伸行
形態:アニメ
既か未か:既
『闘牌伝説アカギ 闇に舞い降りた天才』見た。
厳密にはブログ始めるちょっと前くらいに全部見終わったけどブログに感想書きたかったから今見返し途中。ちょうど浦部編まで見終わったのでキリいいなと思って感想書くことにした。福本漫画だから気になって見たというくらいでアカギ自身そもそもあんま知らん。『天 天和通りの快男児』のスピンオフだけど読んだことないです。
ネタバレあり
<あらすじ>
昭和33年。南郷(小山力也)は自身の借金解消を求めヤクザ竜崎(中田浩二)と闇麻雀を行っていた。負けが込み絶体絶命の南三局、南郷の澱んだ流れを変えてほしいとの願いに呼応したように突然現れた13歳の少年アカギ(萩原聖人)。流れを変える何かを求めアカギを匿った南郷。南四局、アカギの呟きにより危険牌を通し和了る南郷。勝負の振り子がゆっくりと動き始めたーー。
死ねば助かるのに・・・。
5筒を切って3色を狙うか、、対面の危険牌2筒を切るか。南郷が固く2筒を切ろうとした際、アカギは南郷に戦う気配が消えていたと伝える。南郷はこれを受けて強気の5筒切り、下家からの振り込みでなんとか逆転勝利を掴む。アカギのセリフももちろんだけど南郷の「どうせ死ぬなら強く打って死ね」もかなりの名言。この「やる時は徹底的に」精神は福本漫画の人生哲学の基本理念。中途半端が一番ダメという思考は参考に値すべきところだと確かに思う。実際、アカギは少なくともこのアニメを通してずっと「やる時は徹底的に」を実践し続けてるし、まあ参照できる題材が一本しかないけどカイジも強者の思考は常にそうだ。例えばEカードの利根川も引く時は一ミリまで引くべきとかいってたし。
それにしても麻雀のルールすら知らん状況でここまで看破できるアカギはえぐい。当時13歳らしいがそんなわけがなさすぎる。こんな奴が去年までランドセル背負ってたと考えれるかよ。
この後、アカギから何かを嗅ぎ取った南郷はアカギに代打ちを任せ、アカギの初めての麻雀が始まる。正直ルールすらまともに把握してないやつに打たせるのは馬鹿すぎるがこの時の南郷さんの狂気こそが勝利をもたらしたんだろう。
そして初っ端でイカサマするアカギ。笑った。初めて見た時は麻雀始めたてだったから参考にしたいなと思って見てたんだが、いきなりイカサマし出してびっくりした。アカギの素性とかはまあアニメ見たらわかるから言わない。鷲巣編までは大きく分けて出会い〜矢木戦、市川戦、ニセアカギ〜浦部戦の三つくらいに分かれる(漫画だともう一人くらい混じってるらしい。)。でこの章で悪徳警察安岡が知らんうちに仲間になったりする。
矢木
アカギに負け始めた竜崎が呼んだプロの代打ち。ネットの世界では電流が走ることでお馴染み。基本的に立ち回りは固いし、普通に強いんだろうが『闘牌伝説アカギ』はアカギが天才であることを証明し続けるみたいな話なので当然矢木はほぼ噛ませみたいな扱いを受ける。というか作中でガチでアカギと拮抗したのはこの後に登場する市川くらいだろう。鷲巣はラストまで見てないのでわからん。
最初呼ばれた矢木は半荘終わりの参戦のためアカギの打ち回しを観戦して待つ。矢木は相手が中学生だからといって油断したりせず冷静に「見」にまわる。「見」にまわるとかいう馬鹿かっこいい言葉。俺も日常的に脳内ナレーションで流している。このブログを読んでいるみんなも何か人間関係的なトラブルに巻き込まれたり、ニュースを見た時に感情的に対処するんじゃなくて「見」の姿勢にまわってみてほしい。ほとんどの確率でその後に新情報が出されたりするからだ。実際俺はジョニー・デップをたたきかけて「見」に回ったおかげで勝訴後も手のひら返しを行わずに済んだ。もちろん「見」ってのは一歩引いて冷笑的にものを判断するわけじゃなく、疑い続けて全容を理解しようとすることね。この辺を間違えないでいてほしい。
閑話休題として、そんなわけで冷静に馬を観察した矢木はあることに気づく。アカギは初心者ゆえに立直後にカンができることを知らなかったのだ。俺も知らなかった。ここで矢木に電流が走るわけ。このあとはあんまり覚えてない。まあとにかくアカギが勝って終わる。南郷さんの借金分全額チャラにした後にアカギはさらにその金を元手に勝負を続けようとしたため一旦勝負は仕切り直しになり矢木の出番は終わる。のちの3人(市川、浦部、鷲巣)に比べて個性は薄い方だと思うが初戦だししゃーない。というか初戦の相手にしては結構魅力的だし実力もすごいと思う。例えばカイジで言えば船井枠だし、有名少年漫画で2〜3話あたりの敵がここまで魅力的なのも珍しいんじゃないか。まあこの文章からじゃ伝わらないだろうけど。
本当に試合展開が思い出せなかったからこの文章書いた後に見返した。矢木さんは立直は後の変化に弱いことを教えてくれたり、その過程でキャタピラによるイカサマドラ8をアカギからもぎ取ったりしてた。サマの結果としてアカギから心底見下され牌をわざと倒して単騎待ちを萬子に見せかけるという簡単なサマに引っかかって負けた。声優高木渉という豪華さもあって俺が麻雀する時の脳内キャラはこいつ。立直後のロン待ちの時は鷲巣になる。
市川
矢木の格上としてアカギと仕切り直し試合をすることになった盲目の打ち手。アカギを除いて作中一強いとの呼び声あり。(諸説あり。)このキャラだけ麻雀試合前に別の場所でアカギと謁見したりする。そして拳銃のロシアンルーレットをホルスターの回転数を聞くことによってクリアしたりする。この状況を持ってしてアカギに「俺か奴が本物、どちらかが偽物だ。」みたいなことまで言わせる。漫画の盲目キャラは最強って相場が決まってるもんね。
市川戦はアカギが遅れてやってきたり、ぬるりと白引いたりする。アカギが豪胆というか相手を罠にかける変則的な立ち回りを仕掛けるのに対して、市川は徹底合理主義的な打ちまわし。それを持ってしてアカギをじわじわ追い詰める。お互いに直撃を取るためにアカギが仕掛けた絶一門(三色のどれか一色を捨てる)にも応じつつアカギを上回る打ち筋を見せる。特にお互い萬子の染め手狙いの時は一足先に聴牌を完成させてアカギの手代わりに合わせて待ちを変え追い続ける。怖すぎる。ガチでこんな奴と麻雀やりたくないな。
色々あってお互いに固い麻雀じゃ決着がつかないから点棒を10分の1にしてやろうとアカギが提案する。当初は合理的側面から拒否っていた市川だったが市川の盲目を利用したイカサマをアカギがやり始めたので早期決着を狙うのが得策と考え提案にのる。このイカサマにキレたのか市川は急に自分の前に積まれてる山の牌の順を全て暗記しているとかいうチートすぎる特技を見せ始める。そして嶺上ツモを自分の前の山と入れ替えるイカサマで和了る。これはカンをさせてしまったアカギの責任払いということになりアカギ窮地。次戦でまた市川の目の前に山があったら、市川は自由にツモを入れ替えうるため負け確。
ここは見事転生の運で市川前に山が積まれるのを阻止。しかもカンからの嶺上ツモあがりで新ドラものせるとかいう細すぎる勝ち筋を見事通して勝つ。市川は全員の捨て牌も暗記してるらしく、アカギが白を切ってたから新ドラをすり替えて中にするも、実は切られてた白は暗刻からの切り出しだった。頭が白でドラ2個のったためアカギの勝ち。結局はアカギはいつもの飄々とした感じで勝つんだが焦らされるシーンも多かった。
アカギが起死回生のためブラフ仕掛けのドラ切りに対する南郷さんのリアクションとか面白かった。
この辺まで見て思ったことがあるんだけど結果論すぎる笑。アカギたちの読みの強さとかももちろんあるんだけど市川の追尾であったりラストの嶺上開花であったりツモ運じゃね?って場面も多々。もちろん言いたいことはわかる。雀士たちの気迫とかがその運、ツキ、流れを持ってくるってことでしょ。そんなことはカイジでも散々言われてるからわかってんのよ。まあそこ含めても楽しいからいいんだけどね。
勝負が終わった後の南郷さんのモノローグも印象的。アカギにとっては勝負は金を稼ぐ手段ではなく、勝負こそが目的なのだ。
浦部
市川戦までで中学生編が終了、大人になったアカギとして安岡が偽アカギを川田組長に紹介するところから新エピへ入る。当初はアカギ対偽アカギが行われる予定で、その前哨戦としてサクッと仕上げる予定であった偽アカギの勝負相手こそが浦部だった。普通にびっくりした。でも確かに偽アカギは初登場時からなんかダメそうな予感がしてたし、アカギとの初顔合わせでもこれまでのキャラでもトップレベルの小物っぷりを見せる。だから偽アカギの話はしません。別に嫌いではない。
関西弁で反っ歯の男浦部。偽アカギとの対戦ではトップにもならず、かといって振込もあまりない特徴の薄いうち回しだがその中で偽アカギと自分どちらかがトップになるまで倍プッシュし続けるという約束を取りつぎ掛け金を3200万までのばす。(現代価格で約10倍らしいです。)偽アカギのうち回しは確率計算からくる近代合理麻雀で卜部との勝負を決めきれず、ついには組長に見切りをつけられてしまう。代わって入ったアカギは当初気分じゃないという理由から一緒にいた治(アカギの同僚)に打たせたりめちゃくちゃな打ちを見せる。赤城の手の内確認のためあえて自分のアガリを放棄する浦部。これに対してアカギもアガリ放棄。さらに流局時罰符を払ってでも自分の牌を見せなかったりする。
この後、四暗刻オープンリーチからの浦部の安手狙いの振込に応じない(わざわざさしこんできたということは奴の手は今勝負手ではない。ならば進もう、奴が引いた分前へ。)とか場に二枚あり残る一枚は王牌にある事を知った上で北単騎でまつ偶機待ちとかやって最後に裸単騎に魔法をかけて勝つ。ここまでブログの文字量が増えすぎたのでだいぶ端折ったけどこの編も面白いことに変わりはなかった。でもアカギはちょっと舐めプしてた感じもしてしまったかな。
もちろん浦部の慎重な打ちを崩すために偶然の力に頼らなければならなかったというのはわかるし面白いんだけどね。浦部がどんどん細い打ち回しになっていく=当初はバカにしていた偽アカギと同じ打ちになっていくというのは構成が綺麗で面白かったね。
狂気の沙汰ほど面白い
まあ各論的な感想はそんな感じでした。OPの影響もあるのかもしれないけどノスタルジックな良さがいい。スピンオフの過去編だからというのもあるだろうけど長寿漫画ならではの未来を思わせるような運命の動きを感じることができた。(何いってるかわからんと思うけどジョジョとか刃牙、ワンピとかの一話を見てくれたらこの感覚は伝わるんじゃないか。ここまでの全てはこんなところから始まってたんだなって思わせられる。古谷氏のナレーション、勝負の振り子がゆっくりと動き始めたみたいなのも倍プッシュでいいね。)
冒頭にも書いた気がするけど、福本漫画的哲学として勝負するときはする、引くときは引くという原則がある。この熱気を持ってして勝負の風を掴むというのがカイジもアカギ一貫している。自分すらも騙すような熱気が必要なんだな、これが。つまり後ろの方をチラチラ見ながらではうまくいくことなんてないってわけだわ。でも大概の凡人は(俺も含め)自分を守る道を選んでしまうよね。助かりたいもの。
本編でも引用されてたが闘争逃走反応という理論がある。危機的状況において動物が取る行動は・戦う・逃げる・身動きを止めるのどれかに分類されるというものだ。俺は一体どれなんだろう。どれでもいいけど咄嗟に出てきた行動に誇りを持つようにはしていたいよね。アカギには否定されたが、身動きを止めるでもいいから俺は自信を持ってたい。これまでも危機に対して慎重に立ち止まってきたからその時の最適を出せてきたし、これからもそうしたいね。それはそれとしてアカギの生き方に憧れもある。
帰結されるのは己を信じることができるかどうかだね。ナレーションでもいってた。鷲巣編は多分ブログ上げるのしばらく後だと思う。まあ誰かが待ってるわけでもないし気長にね。